脂肪吸引
･バッカルファット

脂肪吸引は身体に与えるダメージが大きいです。そのため、脂肪吸引の術後1年以上経過してからの再施術をおすすめしています。

脂肪吸引後の急激な体重増加で見た目のリバウンドが起こる可能性はあります。吸引した脂肪自体が復活することはありませんが、残った脂肪の細胞1つ1つが太ってしまうと結果として元に近い状態まで戻ることが考えられます。

脂肪吸引後のダウンタイムには個人差がありますが、平均で術後2週間～1ヶ月程度です。
具体的には施術部位の痛みが術後3～5日程度、腫れ感、むくみ感、内出血が術後2週間程度、施術部位のつっぱり感が2週間から1ヶ月程度です。

太りすぎている方でも脂肪吸引はできます。脂肪吸引をする部位としない部位のバランスをとりながら、脂肪を吸いすぎないように施術しています。

脂肪吸引は40年以上前から行われていて、技術と器械の進歩によって今では広く行われる手術となりました。しかし、美容外科で扱う手術の中では危険性（リスク）の大きいものであることに違いはありません。
リスクとしては頭頚部脂肪吸引での血腫とうっ血による窒息、細菌感染による組織壊死やコンパートメント症候群、下半身の脂肪吸引での脂肪塞栓などがあり、すべてを慎重に的確に行っても完全に防ぎきることはできないといわれています。

脂肪吸引後に凸凹（でこぼこ）は起こり得ます。とくに皮膚に近い部位の脂肪を吸いすぎると表面から見える凸凹（でこぼこ）が残ることがあり注意が必要です。脂肪吸引の傷跡は見えない部分につくることが多いです。

個人差はありますが、術中は麻酔を行うためほとんど痛みを感じません。術後の痛みは、痛み止め内服で耐えられる程度のことが多いです。

お顔の脂肪吸引で一度に取れる脂肪の量は、体格や麻酔量で大きく変わってきます。顔面頸部で片側40～80cc程度です。

メーラーファット除去の再手術は1年以上、十分な期間を空けてからであれば可能です。

メーラーファット除去は口角（上唇と下唇の境の谷）を数mm程度切開します。

バッカルファットは口横の深い部分にある脂肪です。口の中、奥歯あたりに数mm程度の穴をあけて引っ張り出すように切除します。食事中に口の中を噛んでしまう方、口横のボリューム感を改善したい方に適応があります。
メーラーファットはほうれい線上に盛り上がる脂肪です。口角の部分に数mm程度の穴をあけ、吸引して取り除きます。頬の高さやほうれい線上のボリューム感を改善したい方に適応があります。

難しい話になりますが、頬骨弓（頬骨のこと）と咬筋（食いしばると盛り上がる筋肉）の交わる部分にある柔らかい三角地帯が盛り上がっている方は、取るのに十分なバッカルファットがあると判断できます。逆に取りすぎるとこの三角地帯がくぼんでしまいますので、切除量は慎重に決めないといけません。口の中をよく噛んでしまう方もバッカルファット適応がある場合が多いです。
一方で、ほうれい線が気になる方、頬が高くて気になる方などはメーラーファットの適応があります。メーラーファットを取りすぎると、平顔（中顔面の盛り上がりに欠け全体的にノペっとしている顔）っぽくなるため要注意です。

二の腕の脂肪吸引で一度に取れる脂肪の量は、体格や麻酔量で大きく変わってきます。だいたい片側200～400cc程度です。

頬の肉を噛む癖はバッカルファット除去で改善することが多いです。バッカルファットを除去することで頬の内側の粘膜が歯に押し付けられている状態が改善されると、内側の肉（粘膜や頬筋）を噛む機会は減ります。

バッカルファット除去は口腔内（奥歯近くの粘膜）からアプローチし、メーラーファット除去は口角（上唇と下唇の境の谷）からアプローチするため傷跡はほとんど目立ちません。術後の腫れは通常1週間程度で軽快します。
メーラーファット除去の場合は上唇あたりに内出血が出ることがあります。

術後もバッカルファットが余分にある場合は再手術が可能です。1年程度期間を空けてからの再手術をおすすめしています。

バッカルファット除去をしてもリバウンドする可能性はあります。バッカルファット自体はこめかみのあたりに豊富に存在しているため、人によっては時間をかけて再び口横あたりまで降りてきます。

バッカルファットはお顔の中では皮膚が厚い方のエリアに存在します。かつ、皮膚を支える靭帯構造にも近いため、術後のたるみの度合いはあっても軽度です。

バッカルファット除去は口腔内（奥歯近くの粘膜）を数mm程度切開します。

脂肪溶解注射の効果はかなりマイルドです。1回でしっかりとした効果を実感できる脂肪溶解注射は未だ存在していません。
ですが私の経験上、医療用ハイフと同時に脂肪溶解注射をした場合に、より効果が出やすいと感じます。

当院では必ずメーカーの規定通りの使い方で脂肪溶解注射を提供しています。規定にないような希釈は行いません。

当院ではバッカルファットへの脂肪溶解注射は推奨していません。

脂肪溶解注射のデメリットは1回あたりの効果が実感しづらいという点です。