脂肪吸引後の固定バンドについて~糸を入れたらバンドは不要!?〜

脂肪吸引はダウンタイムがしっかりとある施術です。

脂肪吸引で吸い取る皮下脂肪には必ず細い血管がつながっています。体内で生きているすべての脂肪細胞には血流が必要だからです。脂肪吸引手術は、どんな優れた機器でどんな手練れが執刀しても術中必ず細い血管が傷つきます。

また、脂肪を吸引した後にできたスペースは血液のたまり場になりうるので、術後しばらくはスペースをなるべく減らす努力が必要になります。血液が必要以上にたまってしまうと感染や拘縮などダウンタイム遷延の原因となる症状が起こるからです。

また、細いとはいえ傷ついた血管からの出血が長引かないためには、術後に「圧迫止血」で止血を行う必要があります。

約72時間のあいだ、この2つを担ってくれるのが術後固定バンドです。

ちなみに、「脂肪吸引の後に糸(リフトで用いるスレッドのことでしょう)を入れておけば組織がくっついてくれるので固定バンド不要!」という謳い文句を聞くことがありますが、ちゃんとした脂肪吸引を行う場合、糸をいれることで固定バンドのかわりとするのは医学的(物理的)に不可能です。